【文／Discover Taipei】
台北では、レンタサイクルのYouBikeに乗って自由に街中を走行できるだけでなく、「台北市河濱公園環狀自行車道」（台北市河濱公園環状自転車専用道路）もあり、緑あふれる川辺の景色を眼下に収めながら、自転車でプチ旅行を楽しむには最適です。台湾は米ニューヨークタイムズ紙の「2014年行くべき場所52選」で11位に選ばれ、台北市の河濱公園で自転車に乗って美しい景色を楽しむのが、おすすめコースのひとつとして紹介されました。
台北市政府が2011年に完成させた台北市河濱公園環状自転車専用道路は、淡水河、基隆河、景美溪、雙溪、新店溪（以上、河川）の河川敷に設けられた6本の自転車専用道路の総称で、美しい景色を眼下に収めながら、6つの異なる風情が味わえるようになっています。
基隆河左右岸親水自転車専用道路～ 夜の魅力的な景色
基隆河の両岸には、自転車専用道路があります。左岸の林安泰疏散門（林安泰ゲート）を出て、まず目に入るすばらしい景色が、大佳河濱公園のシンボル「希望之泉」です。25 階の高さまで扇状に吹き上がる30分の噴水ショーは、毎日4回あり、一面の緑に花のじゅうたんが大直橋のたもとにまで広がっています。
そして夜の帳が下りると、ライトアップされた美麗華の観覧車や圓山大飯店（グランドホテル台北）、そして7色のライトに彩られた彩虹橋が、水面に映えます。夜に「基隆河左右岸親水自行車道」（基隆河左右岸親水自転車専用道路）を自転車で走れば、基隆河を鮮やかに彩るこの魅力的な景色を目にすることができるのです。
關渡、金色水岸、八里左岸自転車専用道路～ 豊富な自然景観
「關渡自行車道」（關渡自転車専用道路）は、關渡宮脇の道路を起点に、主に關渡自然公園を走る自転車専用道路です。關渡自然公園は台北では珍しい湿地公園で、バードウオッチングにも最適です。さらに専用道は貴子坑溪（河川）の方へ延び、親山步道（親山遊歩道）のところで折り返しています。途中、觀音山や広大なマングローブ林、飛び立つ水鳥の群れなどの自然景観を楽しむことができます。
關渡自転車専用道路の北側は、「金色水岸自行車道」（金色水岸自転車専用道路）、「八里左岸自行車道」（八里左岸自転車専用道路）とつながっています。また、この2本の自転車専用道路は、赤いアーチ型の關渡大橋でつながっています。それから大稻埕碼頭（大稻埕ふ頭）から自転車を載せられる渡船に乗って、關渡、八里龍形碼頭（八里龍形ふ頭）、竹圍、淡水などに行くこともできます。途中、ブルーラインの優美な風景や赤く夕日に染まる淡水河の河口の美しい景色を眺めたり、海鮮料理に舌鼓を打ったりできます。
景美溪左右岸親子生活自転車専用道路～ 親子で気軽に楽しめるコース
景美溪の両岸にも自転車専用道路が設けられていて、道南橋や一壽橋でつながっています。左岸は全長3.8キロしかないので、子ども連れや初心者に最適な入門コースです。
木柵のレンタサイクルターミナルを出発して道南河濱公園に入ると、緑あふれる豊かな景観が広がります。透き通った景美溪の川辺の草地を面白い形の彫刻やイスが彩り、遊びに来た親子の笑い声が響き渡り、大自然の中で絶妙な協奏曲を奏でています。
景美橋から景美溪橋の区間にさしかかると、2010年にかけ直された景美橋が目に入ります。景美溪にかけられた橋脚のないアーチ型の橋は、昼間は草花に紛れて白い橋が現代的な雰囲気をかもし出し、夜は色とりどりに変化するLEDのライトアップが施され、自転車に乗っている人たちを熱く迎え入れているかのようです。
社子島環島、二重疏洪道自転車専用道路～ 田舎のような素朴な風景
基隆河と淡水河が交わるところにある社子島は、あまり都市開発が行われていないため、田舎のような風情があり、都会にはない古めかしさが漂っています。田んぼ、野菜畑、そして緑の木々が、農村の素朴な雰囲気をかもし出し、美しい光景が目に入ってきます。
社子島の土手には、自転車専用道路が設けられています。高い土手を自転車で走っていると、大屯山や觀音山から空に連なる景色を余すところなく見渡せます。また、北投のゴミ焼却場の虹色の煙突も見えますが、そこには世界初の煙突の中にある回転展望レストランがあります。社子島の端まで行くと、基隆河と淡水河が交わる広大な景色が広がります。このほか、淡水河にかけられたH型主塔がふたつある白い重陽大橋が水面に映えている景色には、ずっと見入ってしまいます。
雙溪生活水岸自転車専用道路～ 緑のトンネルを快適でさわやかに
「雙溪生活水岸自行車道」（雙溪生活水岸自転車専用道路）は、6本の自転車専用道路の中で、もっとも住宅街に近い自転車専用道路です。全長も左岸、右岸それぞれ約2.8 キロともっとも短く、沿線では釣り客も目に入り、のんびりした風景が楽しめます。
美しい景色が広がる雙溪（河川）の川辺には、大きな木の木陰が連なり、自然が織りなす緑のトンネルになっていて、自転車に乗っている人たちを迎え入れてくれます。緑の木陰を快適でさわやかに走りましょう。左岸と右岸の自転車専用道路は、百齡橋でつながっています。橋のたもとの百齡右岸河濱公園では、ラグビーの愛好家やサッカーチームが集まっている光景をよく見かけます。また、台北に唯一現存するサンパン（平底の木造船）専用のふ頭「三腳渡擺渡口」も沿線にあります。
新店溪、大漢溪、淡水河自転車専用道路～ もっともエコな都会のオアシス
新店溪と大漢溪（河川）の川辺の景色は、都会のオアシスといえます。中興橋から華江橋にかけて大量の土砂が堆積していることから、広大な砂州、湿地、沼地が広がり、ガンやアヒル、絶滅危惧種の渡り鳥が集まっているのです。
福和橋の自転車専用道路入口から出発して、新店溪の右岸を走っていると、大都会の建物が織りなす景観や公園の緑あふれる広大な美しい景色が目の前に広がります。途中、古亭河濱公園と客家文化主題公園にさしかかると、堤防を跨ぐ高架橋があります。このアーチ型の斜張橋になっている白い高架橋まできたら、自転車を止めて古亭河濱公園の広々とした緑の中を飛び回る鳥の群を観賞したり、客家文化主題公園の客家の特色ある建物を鑑賞してみたりしてください。高架橋でさわやかな風に吹かれれば、大自然の中に身を置いているように感じることでしょう。
自転車がなくても、自転車専用道路の沿線には、レンタサイクルターミナルがあり、乗り捨ても可能です。外国人観光客でもパスポートの原本を提示して、台湾での宿泊先や電話番号を記入すれば、気軽に自転車が借りられます。自転車さえあれば、にぎやかな都市と自然の景観が交錯する台北を存分に味わうことができるのです。
関/ 連/ 情/ 報
台北市河濱公園環状自転車専用道路
救援サポート：0982-780780
http://www.riversidepark.taipei.gov.tw/BikePath
關渡レンタサイクルターミナル
場所：知行路、關渡宮の北側、關渡ふ頭そば
電話：(02)2858-1016
大稻埕レンタサイクルターミナル
場所：民生西路突き当たり、大稻埕ゲート入口、大稻埕ふ頭
電話：(02)2557-1639
大佳レンタサイクルターミナル
場所：濱江街から入り、基隆河8番ゲートそば
電話：(02)2517-5369
美堤レンタサイクルターミナル
場所：美堤ゲート（敬業三路の突き当たり）を入って左側、土坡曲道賽場そば
電話：(02)8501-1962
景福レンタサイクルターミナル
場所：自來水園區公館水岸広場（思源街の突き当たり），永福橋そば
電話：(02)2364-0156
木柵レンタサイクルターミナル
場所：新光路2段、台北市立動物園前の道南河濱公園広場
電話：(02) 2938-2181
觀山レンタサイクルターミナル
場所：塔悠路から塔悠ゲートに入り大直橋の方角へ、高速道路の高架下
電話：(02)2761-5927
華中レンタサイクルターミナル
場所：萬大路の突き当たり，華中一ゲートから入り、華中橋下
電話：(02)2339-0908
雙溪レンタサイクルターミナル
（週末及び祝日のみ）
場所：洲美街から河雙21號河濱公園に入り、洲美橋の方角へ、自転車専用道路そば
電話：(02)2834-0273
彩虹レンタサイクルターミナル
（週末及び祝日のみ）
場所：麥帥一橋右岸下、彩虹橋または行善路橋から徒歩で麥帥一橋右岸へ
電話：(02)2793-5910
※英文版：
‧Taipei Riverside Bikeways – Experience a Different Side of Taipei
【Discover Taipei 2014年05月號】
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